これ読んだ。
読むために生まれ:若いエンジニアへ
言っていることには異論はない。突貫工事を続けて長時間労働しても効率が良くないというのは確かにそうだ。しかしこれは、タイトルに反して若いエンジニアに向けたメッセージではなく、マネージャー層に向けたメッセージではないか。若いエンジニアを長時間こき使うっていうのはリソースの使い方としては最悪ですからね、ちゃんとマネージメントしましょうね、と言っているように見える。
突貫工事は確かによくない。でもある一定の割合で突貫工事は発生する。そして、若手エンジニアが突貫工事にアサインされることは多い。しかも若手は大抵自分で仕事を選ぶ権利はない。若手、特に新人が突貫工事/炎上案件に巻き込まれた時にできる最善の策といえば、1)きちんと貢献できるように、でも体は壊さない程度に働く、2)開発プロセスがちゃんとしているかどうか見極め、ダメだと思ったら積極的に改善点を指摘する、3)絶望的な状態なら逃げる(他の会社に行く)、というくらいではないだろうか。どれもそう簡単ではないのだが。
なので、私なりの意見として、若手(とくに新人)に向けたメッセージを改めてまとめてみる。
プロセスについて:
- 炎上案件に巻き込まれて遅い帰りが続いたとしても、すぐにブラック企業だと決めつけないでちょっとは我慢してみよう。もちろん体力の限界まで頑張る必要はない。無理なときは無理と言おう。
- 完璧なプロセスなんてどこにも存在しない。問題は少しずつでも改善するかどうかだ。大炎上案件があったとしても、その後真剣に反省して改善しようとしている組織なら未来はある。そして改善策について自分でも意見を言おう。
- 残業・休日出勤が常態化していて、しかもだれもそれを反省していなく改善しようとしていない組織ならば、早く逃げたほうがいい。
- 個々人がミスをしないように気をつけるのは当然だが、バグによるトラブルを個人のせいにするような組織なら気をつけたほうがいい。特にリリース後のバグについて、「お前のミスのせいで損害を受けた」みたいなことを言われる組織なら早く逃げたほうがいい。だってそれは個人ではなくてプロセスの問題だから。
スキルについて:
- 上記のようにプロセスはとても大事。でも、なんでもプロセスの改善で何とかなるということを言い出すおじさんはあまり信じないほうがいい。
- どんなにプロセスが良くても、ソフトウェア産業は個人のスキルがないとなにも作れない。スキルを磨くことを忘れないようにしよう。会社が提供する研修がすべてではない。
- 上記リンク先ブロクには、「エンジニアの創造性を引き出すものは、長時間労働ではなく集中である」とあるが、集中よりさらに創造性を引き出すのはスキルである。
ということです。みんな頑張ってね。